【競技レベルが向上している件】
- 関コーチ

- 2024年4月25日
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ここ数年の日本代表の活躍を受けて、バレーボールはここ数年で大きく進化しています。そのため、アンダーカテゴリーの技術が向上しており、特に男子は顕著です。
象徴的なのは、4月1週目から始まった関東学生リーグ戦、4月1週目にも関わらず、入学したばかりの新1年生がスタメンや途中出場で試合に出ています。入学したばかりの1年生が4月の1週目で試合に出るとか、普通に考えたら無理というか、ありえないというか、そのくらい難しいことです。
何ヶ月もかけて作ってきた新チームのレギュラーを新1年生と入れ替えるわけですから、交代させられた選手はたまったもんじゃないでしょうし、1年生も気を遣うでしょう。それでも、1年生を使った方が強いと判断されての起用なのです。
今年の春高を沸かせた駿台学園の子たちは、各大学で出場機会をもらい、正智深谷の白野くんは順天堂大学でスタメンです。
現2年生になる昨年の春高準優勝である鎮西の桝本くんですら、1年生の間は控え選手、優勝した駿台の佐藤くんも開幕スタメンではありませんでしたが、今年優勝の亀岡くんは筑波大で、対角の荒井くんも明治大で開幕スタメンでした。
関西の学生リーグも4月2週目に開幕しましたが、昇陽出身の小山くんは関西大学で、東山出身の花村くんは天理大学でスタメンでした。
もちろん、チーム事情もあるでしょうし、1年生も入学前から練習に参加して頑張ったのだと思いますが、それだけ若い力がどんどん育っているということ。こういった下からの突き上げがあるうちは、競技レベルもどんどん上がっていきますね。大学バレーのVリーグ化、高校バレーの大学バレー化(対戦相手のアナリストによるデータ分析や、専属トレーナーによるトレーニングなど)、中学バレーの高校バレー化(戦術やチーム力を重視したバレー)が、どんどんスタンダードになりつつあります。
駿台学園などは、大学バレーを飛び越してVリーグバレーをやってますね。顧問の先生がVリーグの分析官だったので。
もちろん弊害はあります。身体ができていないうちから、無理な態勢で打ったり、過度な練習量による怪我など。また、小技ばかり覚えて大技が決まらないというのも…。
僕自身も、ひと昔前までは、中学生の子たちに「フェイントなんかすんな!」「思い切り打て!」と言っていた口です。中学生には中学生らしいミスを恐れない思い切りのよいプレーを教えるべき!と考えていましたし、高校生たちには「相手は関係ない。自分たちのバレーができるかどうかだ」と指導していました。
競技のレベルやルールが変遷していく中で、指導者がいつまでも同じ場所にとどまっていてはいけないと思います。
指導者というものは、自分が習ってきたこと、習ってきてよかったと思うことを、子供たちに伝授していくことで技術が継承されていくものです。自分を成長させてくれたバレーボール。その競技の素晴らしさを伝え、恩返しをするように指導者となる方も多いと思います。
が、子供たちを従え、「先生!」「コーチ!」と主従関係が構築されていくうちに、徐々に指導が『高圧』へと変わっていってしまう場合も…。
競技の進化は学びの場がないと、なかなか情報が入ってきません。忙しい先生は、学ぶ場がなかったり、そもそも学ぶ気がない場合も…。
中には、自分が信じてやってきたことと真逆の考えもあります。僕自身も、今、自分が指導していることは、高校時代に先輩や先生に教えてもらったこととは全然違います。もっと言えば、指導を仕事にした当初とも変わってきています。
どれも、新しい理論や考え方を実践してみて、「あー、なるほど。こういうことか」と納得できたので、自分の考えを変えながら、指導にあたっています。常に自分の指導に疑問を持ち、いかに新しい考え方に柔軟に対応できるか??
あえて言いますが、「指導者もアップデートせーよ!」いつまでも自分が正しい思っとったらあかんで!
しっかり打つこと、思ったところにボールをコントロールすることを、若いうちから身につけていく上に、フェイントやブロックアウト、リバウンドにフェイクセット…。やることいっぱいなのに、部活動の練習時間は、全体的には減少傾向です。
平日1日、土日どちらか1日の休みを推奨しているため、公立学校の活動時間は減っています。私立はそんな推奨も完全無視で練習してるので、時間の差は技術の差にもつながっています。
『量より質』とは言うものの、私立の先生は専門指導できる先生も多いので、質も高い練習ができていると思うので、公立と私立の差は開く一方なのかもしれません。
この差を埋めるのは、じゃあいったい何なのか?
僕は生徒個人の『取り組み姿勢』に尽きると思います。
昔はバレーボール中継がゴールデンタイムで放映され、日米対抗、日ソ対抗など、いわゆる練習試合みたいなものまで放映されていたので、興味のない人の目にも晒されていました。テレビの影響でバレーに興味を持つ子もいて、バレーボールはメジャースポーツだったと思います。日本のバレーが欧米に追い抜かれてからはテレビ中継も減り、マイナースポーツへ…。
昔は情報がテレビや書籍でしたが、今はネットに情報が山ほど転がっています。
調べればいくらでも興味のある動画が見られます。そして、その動画は多岐にわたるので、いろんな方法が試せます。
つまり『ヤル気』があれば、いくらでも情報を仕入れることができるのです。
例えば、練習でうまくいかなかったことがあると、帰宅してネットで検索して解決方法を知ることができます。
『スパイクサーブ』と検索すれば『強いサーブを打つコツ』みたいなものが出てきたり、ネット際のプレーが苦手だと思えば、一流選手がどう処理しているのかを見ることも可能です。
できないままにしておくか、解決方法を模索し対策するか?が『取り組み姿勢』なのです。いくらでも上達できる情報があふれている世の中で、それを活用できる子は少ない。それは指導者も同じです。
子供たちの持っている情報は『ハイキュー!!』や『現代のバレーボール』、指導者はひと昔前の考え方だと、当然ギャップが生まれます。
生徒に『取り組み姿勢』を求めるなら、指導者も自分の『取り組み姿勢』を見つめ直してみてはいかがでしょう?
高い技術を身に付けるのに、早いも遅いもない。
「Aクイックも打てないくせにBクイックなんて」
「普通にトスも上げられないのにジャンプトスなんて」
「なにがフェイクセットじゃ」
こんな固定概念は捨てて、子供たちの技術を高め、指導の技術もアップデートしていけたらいいですね。


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